日本茜で染める その②

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日本茜

前回の日本茜のサンプル染め後、同じ日に掘り起こし、洗った日本茜を乾燥させていたのですが、洗ったのがよくなかったのか、うっかりカビさせてしまいました。
そこで、年数は違いますが、茎挿しで増やした日本茜を改めて起こし、今回は生の根を洗わずに使ってサンプル染めをしてみることにしました。
染色日:2022年5月13日

掘り起こした根を洗ってから染めた記事は下記からどうぞ

草木染めサンプルレシピ(共通)

中媒染にてアルミ媒染、鉄媒染を行う。
染液はアルミ媒染用、鉄媒染用一緒に抽出する。

素材

  • シルク
  • ウール

合計2g。アルミ媒染用、鉄媒染用それぞれ準備する(合計4g)。

媒染液

アルミ媒染と鉄媒染を用意する。

アルミ媒染

市販のミョウバンを素材の重さの6%になるように計量し、水に溶いて使う。
今回は素材10g分の媒染液を用意し、適宜薄めて使うこととする。
ミョウバン 素材(10g)×6%=0.6g を水200ccで溶いて、40ccを薄めて使用する。

鉄媒染

素材の重さの30%になるように計量し、水に溶いて使う。
今回は素材10g分の媒染液を用意し、適宜薄めて使うこととする。
酢酸鉄 素材(10g)×30%=3g を水200ccで溶いて、40ccを薄めて使用する。

植物染料

染める素材の重さの1/4

染液はアルミ媒染、鉄媒染あわせて抽出するので素材の重さが2g×2=4g。
よって、植物染料の重さは4g×1/4=1g。
※最小計量0.1gのスケールにて測定。

今回使うのは日本茜。茎挿しで増やして約1年間栽培したものを掘り起こし、翌日、染色に使いました。

今回はコガネムシの幼虫にもやられておらず、すごく満足のいく収穫でした。
しいて言うなら、根っこに根っこ以外のものが結構絡んでいて分別するのが大変だったので、土に関してもベストなものを検討していく必要がありそうです。(この鉢は、私の記憶が正しければ市販の培養土を使っていたと思います)
ちなみに、コガネムシにやられていた日本茜を植え替えた話は下記の記事をご覧ください。

染液作り

手順

  1. 植物染料1gと水500ccを鍋に入れて沸騰させる。沸騰後15分煮出したものを1番液とする。
  2. 1番液を抽出した後の植物染料に再度水500ccを加えて沸騰させる。沸騰後15分煮出したものを2番液とする。
  3. 1番液と2番液を合わせて半分に分ける。
  4. 半分に分けた染液と合わせて500ccになるように水を加える。それぞれを各媒染用とする。

 

抽出した染液はこんな感じ。

洗いなし 左:1番液、右:2番液

前回の、洗ってから抽出した液に比べると随分と黄色っぽく感じます。
ちなみに下の画像が洗ってから抽出した日本茜です。

洗いあり 左:1番液、中央:2番液、右:水

染色

手順

  1. 作った染液を鍋に入れて火にかけて温める。
  2. 15分撹拌しながら煮染めをして、火を消してさらに15分撹拌する。※染液は捨てない。
  3. 2回程度水ですすぐ。
  4. 媒染液に浸す(30分)。
  5. 2回程度水ですすぐ。
  6. 2の染液を再度温め、媒染した素材を戻し2の手順を繰り返す。
  7. 2回程度水ですすぎ、乾かす。

染め上がり

上:シルク(アルミ媒染)、シルク(鉄)、中央:麻(アルミ媒染)、麻(鉄)、下:ウール(アルミ媒染)、ウール(鉄)

結果は上の画像のような感じでした。前回の媒染はアルミと草木灰で試しましたが、今回はアルミと鉄。ほかの染材同様発色に違いがでるだろうと思っていたのですが、そこまで発色に差はありませんでした。ウールを見ると若干鉄媒染のほうが黄色みを帯びてるかな、という程度。そんな植物もあるのねと勉強になりました。
そして、それよりも気になったのは、シルクと麻の色の違い。なんでこんなにも違うのか不思議で、ひょっとしてシルクと一緒に染めたから、シルクが黄色の成分をいっぱい吸ってしまったんだろうかと思っていました。(シルクは染まりやすいので……。)実はこの実験の後、手のひらサイズの紫陽花ポーチのために、麻を単独で染めました。結果は上の画像の麻とほぼ同じ色。なので、麻は日本茜の黄色の成分には染まりにくいということが分かりました。素材ごとに染まる色がここまで違うというのも、草木染めならではで面白い体験でした。

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